2019年3月29日金曜日

TBSの日曜ドラマ「グッドワイフ」。ラストはそう来たかだった

 TBSの日曜ドラマ「グッドワイフ」が終わった。「そう来るか」。ラスト2回はちょっと無理があるんじゃないの?そう思わせる展開だった。アメリカで7年以上も続いたドラマのリメイクだから、一気にくっつけたのかもしれないが。ただ、ことさらに女の強さを強調するストーリーは、すごく今風、というより日本の今の気分を表しているようにも見えた。


 以下は見ていた人向け、ネタバレです。全部役者名


 驚いたのは、唐沢寿明が部下の水原希子の肉体関係があったことが分かり、常盤貴子が離婚を決めたことだった。それまでの展開から見て、唐沢の2つのスキャンダル、汚職と女性記者(相武紗季)との肉体関係の問題は、弁護士に復帰した常磐が解決するというのは、おおむね予想はできたし、元の鞘に収まってめでたしめでたし、というのドラマ王道だろう。
 そこに出てきた、水原の存在。検察の裏社会を全部知ってるみたいな役回りで、それはそれで面白い。だが、水原の女優としての格から考えて、もっとも大きな展開に影響を与えるだろうとは想像もしてなかった。
 

不倫の前には


 このことによって唐沢の信用は一挙に崩れる。小泉孝太郎への捜査を隠れ蓑にして、検察のトップを捕まえるという荒技も、水原と寝たという出来事の前にはほとんど影響力を持たない。視聴者は「あらあら」と思ったことだろう。

 そのことを知った常磐は、不倫の事実にふたをして一緒に生きてはいけないとばかりにさっさと離婚を決めてしまう。水原のネタを抱えた唐沢はクリーンなヒーローとして描かれることはなかった。メイクも目の下を濃くして、悪役風になっていた。

アメリカ版

主婦をしていたといっても


 一方の常磐。不倫をされたけなげな妻として描かれ、仕事を失った夫に代わって弁護士として力強く働く。まさにヒロインだ。16年ぶりの法曹界復帰とはいえ、東大法学部主席で卒業というものすごい属性があるが。おまけにあの美貌だ。人生でふられた経験などないはずで、自分を裏切った男など許すはずがない。小泉との恋愛っぽい話も決して踏み込まない展開に終始する。「美しく清くたくましく」的な存在だ。

強い女にしちゃうんだよなあ


 よーするに常磐のような美人ベテラン女優のみが演じられるドラマに仕立てられているのだ。しかし、こうした隙のない女、男から見ると、やっぱり面白くない。いくら常盤貴子だとしても、もう、彼女の神通力だけで男の視聴者がついてくるという年齢でもなかろう。見たわけではないが、アメリカ版はもっとゆるい感じに女だという。それを、「美しく清くたくましく」生きる女に仕立ててしまうニッポン。なーんか疲れちゃうなあ。

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