2018年4月10日火曜日

桜の名所にも栄枯盛衰があるんだね

 生き物には寿命がある。毎年春、短期間ではあるが、すごく目を楽しませてくれる桜も例外じゃないな。2018年春、咲き誇る東京の桜を見ての感想だ。それぐらい、場所によって勢いの違いを感じた。

 東京でお花見といえば、上野、隅田川、千鳥ヶ淵に靖国神社。ちょっと古くは飛鳥山。いずれも桜の巨木を多く見かけ、桜の木自体はたくさんある。お花見に行けば、それなりに満足はできる。

醍醐味は鬱陶しいほどの花びら


 でも、桜の醍醐味といえば、満開になったときの、一つの枝に何本も花びらが重なった、もこもこ状態。鬱陶しいほどの花の数。目をこらしてみると、この段階の桜って、遠目には枝の先が花びらで丸まったようにも見える。
 今年は千鳥ヶ淵、靖国と歩いたが、そこまでの桜は皆無。増上寺ではそれなりに見かけたものの、昨年の記憶を思い起こせば、お江戸の時代からの花見名所の飛鳥山もあっさりしたものだった。

千鳥ヶ淵、上野、どこか寂しげ


 こうした木の特徴といえば、幹はやたらと太く、枝も長く伸びているが、なぜか枝の先についた桜の数が少ない。だから花びらが折り重なったりもせず、すかすかに見える。千鳥ヶ淵で、しだれ桜のように堀に方向に枝を下げている桜はきれいに見えるが、近くに寄っていくと、とても寂しそうだ。
 最近、人気を集めているのが目黒川だ。東京で初めてお花見に出かけた30年前には聞いたこともない場所だった。女性に人気の代官山に近く、中目黒自体もおしゃれスポットとして人気があるため、桜の見事さというより場所柄かなあと思っていた。

見とれるほどの花の勢い、目黒川 日本一もよく分かる


 しかし、昨年今年と池尻大橋から目黒の太鼓橋に至るまでを歩いてみて、見方が変わった。ソメイヨシノの数、800本。とにかく花が見事なのだ。1本1本、いずれもかなりの巨木で、枝についている花びらの数もやたら多い。花と花が重なり合って、向こう側が見えない上に、枝の先一つ一つに丸く花びらをまぶしたようにも見える。
 詳しいことは分からないが、同じ桜でも1本の木が生み出す花びらの量には大きな違いがありそうだ。まだ大して散っていないのに、早くも目黒川には桜の筏ができていた。特に目黒の太鼓橋から中目黒手前の駒沢通りとと交差する辺りまでの間の桜が見事だった。何度も足を止めて、見とれることが多かった。


いずれ衰える日も


 東急中目黒駅から池尻大橋にかけては、同じ日にもかかわらず、少し時期が遅かったのか、散り始めていた。ただ、木自体の大きさ、勢いは目黒側に負けている感じだ。中目黒駅周辺は川の両側におしゃれな店が並ぶため人気が偏りがちだが、太鼓橋まで歩くことをお勧めしたい。これぞお花見の桜と言えるようなダイナミックな桜が見られる。狭くて余裕がない中目黒付近に比べ、少しだがベンチもあり、歩き疲れた際に休息も可能だ。
 さまざまなサイトで全国ナンバー1の人気と評価されているが、おそらく桜の木が成長し、最盛期を迎えているということなのだろう。もちろん、いずれ衰える時期がやってくるのだろうが。現在の千鳥ヶ淵や、上野公園のように。

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