2018年4月27日金曜日

お茶屋さん遊びしたーい 初めての京踊り

 人生たった一度きりと思われる京おどりを楽しんできました。まあ、芸妓さん、舞妓さんの美しいこと。着物も恐ろしくきらびやかで美しいこと。ついでに言えば、見に来ているお客さんの女性達の艶やかなこと。正直、時間とお金に余裕があればもっと見ていいかな、というよりお茶屋さんで遊びたーい。


花街・宮川町をぶらり


 日曜の4時半という、もっともにぎわうであろう回に入りました。五条側から歴史的景観保全修景地区でもある宮川町の花街の通りをのんびり歩いて宮川町歌舞練場へと向かいます。歩行者天国となった通りの左右にあるお茶屋さんに「京おどり」の提灯が吊され、ムードを盛り上げています。例年なら京都はまだ桜の季節。春の訪れを示す舞台なのでしょうが、異常に桜の開花が早かった今年は、桜が散りかけた八重桜を時折見かけるぐらいで、早くも新緑の季節になっています。


愛想ない歌舞練場正面の前に美しい女性たち


 すぐに歌舞練場が見えてきました。南座のようなちょっと古風な芝居小屋を想像していましたが、鉄筋のこれと行った特色がない建物。意匠をあまり考えない公的施設のようでもあります。風情を残した芝居小屋風の建物はその裏にあったようですけどね。
 ちょっと違うのは入口前にたたずむお客さん達のきらびやかなこと。和服姿でいわゆる芸妓さん達の世界の「おねえさん」風な女性はもちろんのこと、洋服姿の女性もかなりの美形揃い。踊りの世界の仲間なのかなあ。外人さんの姿も多く見かけます。男性陣もちゃんとしたおっしゃれーな方が多い感じ。それに比べ、みすぼらしい格好で東京などからふらりとやってきたわが8人(男8、女2)のグループの場違いなこと。まあ、そんなこと、何にも気になりませんでしたが。
 当日、座席指定券をもらって初めて席が分かるという、ちょっと特異なシステム。実は仲間の1人が仕事のため先に帰ることになり一等席の鑑賞をキャンセル。私はグループとは別にネットで二等席のチケットを買っていたのですが、代わりに座ることに。余った二等席の行方は、また後ほど。


お茶の接待に長い列


 歌舞練場向かって右側のテントの待合室でしばらく休憩。開場を待ちます。30分ほど前から入場が始まりました。二階席と言われ行こうと思ったら狭い階段に長い列。座るだけでそんなに時間がかかるのかと思ったら、幕が開く前のお茶のご接待を待つ行列でした。せっかく茶券付の一等席を持っているのだから、とじりじりしながら並びます。待つこと10分ほど、順番が来ました。決して広くはない部屋に長椅子がぎっしり置かれ、一番前では舞妓さんが座ってお茶を点てています。

舞妓さんの真ん前で抹茶とおまんじゅう


 お点前?とか仲間と話していたら、何と舞妓さんの真ん前の一番前に案内されました。近くで見ると、白塗りされた首元がしっかりと見えなんともなまめかしい。ずっと見るのは助平親父風でちょっと恥ずかしい。しばらくして、おまんじゅう、そして抹茶が運ばれてきました。まんじゅうにかぶりつき、片手でぐいっと飲むところですが、やっぱ違うかなと、まんじゅうをちぎってちょっとずつ食べ、お茶は両手で飲みます。何だかよく分からないや。
 そうしているうちに幕開きのアナウンス。後ろを振り返ると、待っている客がいません。うまくできてるものですなあ。最後に抹茶wo飲み干すと、席に向かいました。残念ながら、お茶席は撮影禁止。せめて入口から撮らしてくれればいいのに。舞妓さんの美しい姿、頭に焼き付けろと言われてもねえ。まんじゅうが載っていた「特製菓子皿」はプレゼントでだそうで、お皿の下に敷いてあった和紙で包んでバックの中に入れました。しっかし、あの舞妓さん、いったいどこのお茶屋の誰なんだろう。いまだ、何もわからないままです。

余ったチケットは知らない外人女性にプレゼント


 舞台が開く前、ふと余った二等席チケットが気になり、後ろを振り返ると立ち見客がいます。通路の前にいた中年風の外人カップルの女性に、「Do you have ticket?」と聞くと、「How match?」。特に言葉は思いつかず「no」「ree」「give」とか訳の分からないことを言ってしまいました。彼女は意味が分かったらしく受け取ると、すぐそばに座っていた日本人女性から「席を教えてあげて」。そんなことを言われても、話せません。ちょうどいいところに係の人が通りがかり、あっという間に彼女を連れて行きました。めでたし、めでたし、国際貢献です。というか、そんなにタイミングよく現れるかなあ。

白鳥の湖かいな ラストは宝塚


 いやいよ幕が開きました。白鳥の湖とヤマトタケルを合わせた「天翔恋白鳥」という演目ですが、白い着物、黒い着物が出てきて、なんかよく分かりません。ストーリー知らないもん。今回はそれが目玉です。 それ以降は、いわゆる芸者遊び風の踊りが続きます。「富ー士の高嶺はノーエ」とかいうヤツが次々と繰り出されます。ふーん、踊りといっても、日舞の舞台じゃあるまいし、芸者さんの芸だもん、当たり前だよね。
 中には少々、お年を召したお師匠さんらしい方の踊りも入りました。そして最後は全員が登場しての大団円。こりゃきらびやか。羽根こそ付いてないけど宝塚レビューのラストみたい。ちょっとした迫力です。着物もすごくきれいで高そうです。舞妓さんも可愛い。でも、あたしゃちょっと年増の芸妓さんの方が好き。色っぽいんだもん。ええあな、お茶屋さん遊びしたーい。


やっぱりお茶屋さん遊びしたーい


 幕が閉まると、あっという間に客が帰っていきました。もっと余韻を楽しんでもいいのにと思うぐらい早く人が消えました。これって宝塚でも思ったんだけど、踊った皆さん、最後の力を振り絞って、お愛想振りまいてほしいなあ。外で立ってるだけでいいのよ。あんた達は見てもらってなんぼやないかい、と偉そーなことを考えます。伝統芸能やってるからといって、芸人にはかわりはありませぬ。
 三度目に叫びまーす。やっぱお茶屋さん遊びしたーい。自腹でもいいからあ。
 

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