2018年8月20日月曜日

まさかTOBとは 再びサプライズのDAC株、いきなり40%上昇

 今年5月に2018年3月期決算発表の翌日、株価が20%を超える値上がりというサプライズを演じた東証2部上場のネット広告企業DACHD(ホールディングス)株。8月6日、さらに大きなサプライズを演じた。この日、取引終了後に発表された2019年3月期第1四半期の連結経常利益は、前年同期比9・7倍の133億円に急拡大したと発表。翌7日の大幅な値上がりが予想されたが、その直後、親会社とも言える博報堂DYホールディングスが同社の完全子会社化を目指すとして、TOBを行うと発表したのだ。TOB価格は1株3700円で6日終値の2630円を40・7%上回る水準。つまり株主は単位株(100株)を持っていれば、いきなり10万7000円もの儲けが出たことになる。


決算翌日に確実に株価上昇


 5月に1日で20%もの株価暴騰が起きた際に書いたように

DAC株価、20%上昇でお祭り 好決算発表

 この会社の株価は決算発表前後にかなり特徴的な動きがある。特にこの1年ぐらいのことだが、4半期ごとの決算発表前1週間ぐらいから急激に株価が下がり始める。好決算が発表されると、20%とは言わないまでも、5%ぐらいは必ず上がっていた。2000円の株価とすれば100円の値上がりだ。株価を長期間持ち続けるリスクを考えると、決算発表直前に仕込み、翌日売却する。8月の決算発表の際、このやり方でひと勝負かな書いた。そして、8月6日の発表に向けて1週間ぐらい前からこまめに株価を追ってみた。

ジリジリと下げ、発表当日は乱高下


 7月25日に2800円台だった株価はじりじりと値を下げ、31日には一時2500円台をつける。2700円台に戻ることもあった。そして、発表当日はかなりの乱高下となった。
 前日終値の100円以上安い2557円まで値下がりしたり、プラスに転じたり、また下がったり。さすがの値下がりぶりに、「もしかしたら悪い決算」と疑心暗鬼になった株主が、手放したり、あるいは空売りした可能性がある。

売り煽り投稿、文句なし好決算


 ネット上では「決算前にはよくあるパターン。糞決算の証です」と何の根拠もない売り煽り投稿も出始める。この種の人たちって、どうなのかとは思うが、当然,影響を受けて売りに走った人もいるだろう。
 結局、6日は前日終値から57円安で引ける。決算はどうなのか、じりじりと待っていると、15時45分、決算が出た。連結経常利益は通期計画の205億円に対して進捗率は65・1%、前年同期の15・6%も上回っていた。まさに文句なしの好決算。「明日はストップ高」の声も出る。

いきなりTOB発表 賞賛の嵐


 5月は、決算発表直後に大型上場で話題になったメルカリと業務提携しているネット企業ユナイテッドが子会社であることも株価上昇に影響したと見られていたが、さて、明日はどれぐらい上がるか、と多くの株主がほくそ笑んでいたまさにそのときに、博報堂DTのTOBが、飛び込んできた。
 ネット上では賞賛の嵐だ。それは当然、何せ前日比57円安。ネット企業のような新興株の場合、決算発表翌日にいきなり10%も下げ「好決算で見切り売り」などという現象は日常茶飯事。ところが1070円の値上がりが約束されたのだから。

悲惨な空売り組


 中にはDACHDの伸び具合から見て、3700円どころか4000円、さらに分割も期待できたのにと欲いっぱいの投稿もあった。その一方で空売り組はきわめて悲惨。当然ながら、株価はTOB価格の3700円ぐらいまでは誰も買うことができない。つまり、空売り組は、いくらで売ったかはともかく、これから単位株で10万7000円の損が出ることになる。いきなり株価が40%も上昇することもないが、下落することもめったにない。

とうとう株価が10倍を超えた


 さて、ひと勝負はどうなったか。乱高下にびびり、空売りの誘惑にかられ、決算を心配しつつ、最低限の勝負をした。そして結果は「ばんざーい」。自分を信じてひと勝負するだけの度胸も根性もなかった。ただ、この株とは10年以上の長いつきあい。数万円で買った100株はとうとう10倍を超えた。途中、何度が手放そうとしたが我慢してよかった。別れは惜しいけど。

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