2018年8月26日日曜日

お江戸の老舗で土用前のウナギ

甘くない鰻重にびっくり


 土用の1週間ほどの前、今から200年ほど前、11代将軍徳川家斉の時代に創業されたという鰻の老舗「野田岩」の麻布飯倉本店を初めて訪れました。一般的なうなぎ屋さんに比べる高めだけど、野田岩で食べみたいという欲望が勝ちました。


別館での食事


 予約しようと思いましたが、電話すると、この時期は予約は少なめにしており、そちらは一杯。お昼の混み具合からみて、それほど待つこともないのではいわれ、ちょっと早めの午後6時前に到着しました。蔵を店にしたような面白い造り。店内に入ると、先客が2、3組。でも、それほどの混雑という感じではありません。
 室内は大正ロマン風。古ぼけた階段がいい味を出しています。このまま通されるのかと思ったら、仲居さんから別館にご案内しますと言われます。ほかの2人の客とともに、数十メートルほど離れた別館に向かいます。建物の造りは本館そっくりです。


大正ロマン風,ちょっと狭いけど


 本館同様、階段を上がって2階へ。比較的小さめのテーブルといす。部屋自体が鰻の寝床風なので仕方ない気もしますが、高級な料理を食べる贅沢な造りというより、比較的簡素なつくりになっています。内装はこちらも大正ロマン風ですかな。

下から2番目をオーダー


 さて、何を食べましょう。メニューを見ると、鰻重は

菊  3100円
萩  3900円
山吹 4600円
桂  5700円


とありました。

 ふだんなら「菊」なのでしょうけど、ちょっと奮発して下から2番目の「萩」にしました。一番下は寂しいし、上のクラスはちょっと高すぎ。鰻巻きを食べようとしたけど、残念ながら売り切れ。やっぱ、鰻重のお供に食べるんでしょうねえ。みんな考えることは同じだわ。仕方ないので、鰻の煮こごりも注文しました。隣に座った中年の息子さんと高齢のおばあちゃんは萩と菊のご注文です。

 煮こごり、結構、いけます。ビールのお供に最高です。味がたっぷり効いています。生まれて初めて食べたけど、へーこういうものもあるんですねえ。さすが「野田岩」。当たり前か。

ふっくら、ジューシー初めての味


 ほどなく鰻重が来ました。見た感じは、どこでもありそうな鰻重です。ところが、鰻の最初の一切れを口に入れると「あれ?」と感じました。なんと、ほとんど甘くないのです。蒲焼きといえば甘辛いとばかり思っていたけど、全然甘くない。うーむ、こういう味付けもあるんだあと、内心驚きます。

 その一方で、鰻はとてもふっくら、ジューシー。ある意味、初めての味です。口の中に入れると、とろけていきます。焦げ目をつけずに何度も焼くが特徴とホームページにも書いてありましたが、その通りです。下に敷かれたご飯も少なめに見えました。

半分で満腹感


 なのに、半分も食べたぐらいで、お腹がかなりいっぱいになってきました。あれあれ。食べ終えたとき、もはや満腹。ちょっとびっくりって感じです。

 勝手な想像だけど、あの量でこれだけ満腹ということは、鰻の脂乗りがすごいんでしょう。だから、甘くするとしつこくなっちゃう、→その結果、あの味付けって気がしました。ホント、鰻重の常識がひっくり返ってしまった。

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