2018年1月31日水曜日

責めるべきは盗人ハッカー コインチェックは被害者でもある

 世の中、腑に落ちないことばかりだが、最近気になったのは、仮想通貨取引所「コインチェック」からの仮想通貨NEM(ネム)約580億円分流出事件だ。当初の報道を見ていると、セキュリティが甘いなどコインチェックの非難ばかり。仮想通貨の危険性を指摘ばかりしていた。国が処分などの見出しも躍った。しかし、強盗の被害に遭った銀行をふつー非難するだろうか。セキュリティうんぬんよりも、仮想通貨を奪い取った連中を追及する方が先ではないのか。人の財産を奪うハッカーの存在は許してはならないはずだ。つまりこの事件は流出事件ではなく、明らかに盗人による窃盗事件なのだ。


コインチェックのホームページ。謝罪が載っている


数日たって、ようやくまともな報道、どう奪われていったのか


 事件発覚から数日ほどたった31日ごろになってようやく、まともな報道が出始めた。どのように通貨が奪われていったかだ。事件報道の常道として、犯行の手口を伝える方が先だろう。朝日新聞によると、26日午前0時過ぎから不正送金が始まり、約20分で580億円が流出、午前3時前には別の9つの口座に分散され始めた。コインチェックが気づいたのは11時間も後の午前11時25分ごろ。NEMをつくったシンガポールの非営利組織は取引が不正なものと認め、流出先の10の口座を監視。30日の夜にはさらに11の口座に送られていることが確認されている。

仮想通貨は取引データのかたまり


 実はここは大きなポイントなのだ。現金に名前は付いていない。強盗や窃盗で奪われた現金を特定するのは極めて難しい。これに対し、仮想通貨は取引の履歴が書き込まれたデータである。だから、奪われようと、流出しようと、ネット上で追跡されうる。こうした点が評価され、国境を越える通貨として現金に変わろうとしているのだ。もしネット上から消してしまえば、書き込まれたデータも意味がなくなり、通貨としての価値を失ってしまう。

奪っても塩漬けの可能性


 口座の持ち主の特定は困難とされる。しかし、監視されている以上、現金への交換などのアクションを起こせば見つかってしまう。つまり盗んだ仮想通貨は塩漬けの状態になるしかない可能性もある。このことは、奪ったら自由に使える現金とは大きく異なっている。奪われないようなセキュリティは確かに重要だが、流出した取引会社をひたすら非難するという問題でもないのだ。
 

ハッキングの動機は?セキュリティ評価の可能性も


 ハッカーの動機は何だろうか。追跡されやすい、その仕組みを知っていれば、わざわざ捕まってしまうリスクを冒すだろうか。盗み取ったとしても使えないのではまったく意味がない。ハッキングだけが趣味で、あとのことは知らないという連中の仕業ともいえないでもないが。

 先物など、株のような信用による売買がある世界なら、トラブルを起こして価値を下げるという手もあるが、NEMは先物取引ができる市場ができていない。今後、この事件がどう展開していくか、想像も付かない。今は仮想通貨は危険だということだけが叫ばれているが、泥棒野郎が容易に突き止められ、実は安全だったという真逆の結末になる可能性もあるのだ。しばらく様子を見る必要がありそうだ

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